Vocaloid5解説 第2回「Vocalid5を使ったメロディー制作・調整フロー」
コニチワ!
前回は第1回として「Vocalid5の使用方法と機能説明、初期設定」を紹介しましたが、続編です!
今回は第2回「Vocalid5を使ったメロディー制作・調整フロー」を紹介していこうと思います!
第一回で殆どの答えが書いてある部分もありますが、今一度手順として記載していきます。
レッツゴー!
基本的な制作フロー
メロディーを作る
オリジナルと既存フレーズの使用の大きく分けて以下の2通りの方法が存在する。
・オリジナル
・既存フレーズの使用
オリジナルの場合
鉛筆ツールでメロディーとなるノートを打ち込んでいき、歌詞を入れる。
1、ツールから鉛筆ツールを選択
2、トラック上にクリック+横スクロールでパート(箱)を作る
3、パートをダブルクリック、又はパートを選択し⌘+Tでミュージカル・エディターを開く
4、鉛筆ツールを選択し、クリック+横スクロールでノート(メロディー)を打ち込む
既存フレーズの場合
既存のワード(フレーズ)からイメージに近いものをパズルのように組み合わせていく方法。
1、右上にある緑枠のメディアをクリック
2、紫枠からデータをフィルタリングするために選択(しなくても橙枠を選べる)
3、橙枠からワードやワンショットを選択(クリックすることでトラックに新規で生成される)
4、選択したワードを任意に音程やノートの長さなどに調整
5、複数の選んだ既存ワード(パート)を結合させ、キー(調)や音量など調整する
紫枠のフィルターカテゴリ:ボーカル/言語/ジャンル/カラー
歌詞をノートに入れる
1、ノートの下「a」部分をダブルクリック
2、1文字打ち込む
一括に歌詞を入れる方法
複数の歌詞入れには2種類の方法がある。
・歌詞を入れたいノートを範囲選択し、先頭のノートをダブルクリックして一括で入れる
・歌詞を入れたいノートを範囲選択し、右クリックから「歌詞の流し込み」で一括に入れる
ノート(メロディー)を分割して音程をつけていく
1文字内で音程をつけることにより、「しゃくりあげ」などの滑らかな音程の変化つけていく作業。
方法は2通り存在し、より自然な歌い方になるような方法を試していく。
・1ノートを子音と母音に分割
・Attack&Release Effectの使用
1ノートを子音と母音に分割
文字の「か」を分解する場合、「ka」になるので子音である「k」と「a」に分ける。
子音が無い「あ行」は分割した後ろのノートに-(ハイフン)を入れることで同じ効果がある。
※子音と母音について
∟例)「か」の場合、子音が「k」、母音が「a」となる
Attack&Release Effectの使用
※意図的でない声色になる可能性があり、声の繋がりが滑らかにならない場合があるのであまりオススメしない
イメージする歌唱スタイルを決める
クリーン、ダーク、ノイジー、ケロケロボイスなど歌唱スタイルをつける。
1、STYLEタブをクリック
2、任意のカテゴリから選択。(ケロケロなども)
例)リードボーカル>クリーン>任意の声色を選択
各セクション毎にイメージする歌唱スタイルを決める
Aメロはノイジーな声質にしたいけど、Bメロはクリーンな声にしたい!の場合。
各パート毎に歌唱スタイルを設定することによって1トラック内で解決できる。
歌唱表現をより細かく調整していく
ノート分割で滑らかな音程の変化しゃくりあげをつけましたが、それより詳細な歌唱表現を加えていく。
・ベロシティ
・アタック&リリースエフェクト
・その他設定
ベロシティ(Velocity)を設定する
ベロシティ(Velocity)を調整することで1ノートの子音の長さをコントロールする。
子音の長さによって、滑らかに歌わせたいのか、歯切れよく歌わせたいのかを調整することができる。
・ベロシティ値が高い:サウンドが滑らかになる(子音の割合が少なくなる)
・ベロシティ値が低い:タイトで歯切れ良い(子音の割合が多くなる)
Attack&Release Effectを設定し調整する
ノート一つ一つに設定することができる。
ノートの頭(アタック)と終わり(リリース)に対し、エフェクトを選択し調整することでより高度表現できる
・AttackEffect:ノートの入りを調整する(アタックやしゃくりなど)
・ReleaseEffect:ノートの終わりを調整する(ビブラートなど)
1、ノートを選択する
2、Attack&Release Effectから任意のエフェクトを選択(紫枠)
3、エフェクトの範囲を決める
4、ノブでエフェクトの掛かり具合を決める
(AttackとReleaseの右側に付いているノブ)
※オレンジ範囲をクリックし、フェーダーを上下させることでもエフェクトの掛かり具合を調整できる。
又、ノブと連動している。
※optionを押している間は一時的なエモーションツールモードになる。
その他設定を必要に応じて設定する
Pitch Bend :発音のピッチを調節。値の範囲は-8192~+8191 。
Pitch Bend Sensitivity:Pitch Bend の感度を調節。 値を 12 半音に設定すると、Pitch Bend を 0 から+8191 にしたとき に、ピッチが 12 半音=1 オクターブ上がる。
Exciter:声の張り具合を調節。(ザジズ濁点をはっきり発音させる)
Growl :うなり声の度合いを調節。
Breathiness:発音に混ぜる息の量と母音の音色を調整。
Air:発音に混ぜる息の量を調節。
Mouth:発音の明瞭さ(口の開け具合)を調節。
Character:発音フォルマントを調節。 高くすることで女性的な発音、値を低くすることで男性的な発音になる。
Brightness:発音の明るさを調節。
Clearness:発音の透明さを調節。
Portamento Timing:発音のピッチが変わる位置を調節。
ダイナミクス(Dynamics)で発音の大きさを調節する
全体の音量、バランス感の確認。
聞き取りずらいワードの音量を出し、出すぎているワードを小さくするよう調整する。
スタイルのカスタマイズから詳細なエフェクト調整
コンプやブレスの種類などより詳細な調整が可能。
STYLEタブの右下、カスタマイズボタンをクリックする。
ブレスの調整
ある程度自然な息遣いを自動で導入してくれる。
詳細にブレスを調整する場合、STYLEタブのカスタマイズボタンから詳細設定を行える。
右のコンソールで、頻度強さタイプを変更できる
※あらかじめパートの頭を少し伸ばしておかないと、歌い始めの息を吸い込めない
制作フローの1例
僕のメロディー制作からボーカル調整までの流れを参考までに記載。
1、シンセで全体のメロディーを作る(コーラスも含む)
2、MIDIデータを書き出し、Vocaloid5に読み込む
3、曲の1番まで歌の表現や歌唱スタイルを調整し作り込んでいく
4、問題がなければできていない部分を調整していき、同じフレーズ部分は複製する
5、全体的な調整として各セクション毎に音量や、歌唱スタイルを調整する
6、ボーカルデータをパラアウトして、ミックス
調整にあたって是非知って欲しいポイント
ボーカロイドで生の歌い方や表現に近づけるには、DTMに本物の歌を取り込んで分析することが一番です!僕も最初は何をどう調整すればいいかよくわからなかったのですが、整音のお仕事をしていた時に、生音に関して多くのことに気づかされました。
例えば・低音は不安定になりやすい、サビなどの音が跳躍する時はピッチが一瞬上に上がって下がり安定する、急に音を切る時はリリースのピッチが上がるなどの「音程の流れ」であったり、グルーヴ感を出すにはタメが必要といった「音のタイミング」など。
細かい調整方法はメロディーの流れによって違うので詳細には記載できませんが、実際に確認することによってよりクオリティの高い調整ができるようになると思いますので是非やってみてください!
第3回予告
今回は第2回「Vocalid5を使ったメロディー制作・調整フロー」を紹介しました。
次回は第3回最終章、「作業時に困っよね?使用すべきショートカット」を紹介していこうと思います!
お楽しみに! でわっ〜^^
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